赤ちゃんの手のひらに指をおくと、握り返してくると嬉しくなった経験はありませんか? それは、何万年も前に刻まれたDNAの記憶なのかもしれません。 赤ちゃんは手や足に何かが触れると握ろうと指を曲げます。これが把握反射です。 胎児11週目で現れ、生後2−4ヶ月で消えるものです。 お腹の中ですでにニギニギを練習しているんですよ。そう考えると、楽しくないですか。 人と類人猿の分岐は1300万年前から700万年前と言われ、はっきりとわかっていません。でも、この把握反射(Palmar grasp relfex )は霊長類ではとっても大切な反射になります。 お猿さんは背中やおかなに赤ちゃんを乗せたまま、移動したり・仲間の毛づくろいをしたり・餌を食べたりしています。 人間では把握反射といわれるものは、猿ではFur-carring (直訳すると毛で運ぶ) 。赤ちゃん猿がママ猿の毛をギュッと握ってしがみつく反射に繋がります。赤ちゃん猿は誰に教わる事もなく、しっかりとママ猿にしがみつきます。それが出来ないと置いていかれて死んでしまうリスクも高くなります。 ママ猿にとっては、赤ちゃんを抱いて移動して世話をするとなると、餌を両手で食べ、社会性を維持するための仲間同士の毛づくろいができ、餌場へ移動する際の不自由さ、襲われた時の逃げるスピードが落ちるといった事から解放されるのです。つまり、この人間でいう把握反射はお猿さんにとっては母子ともに生存率を高めると考えられています。 猿の仲間でもFur-carryingをしないで、口で赤ちゃんを咥えて移動する猿たちも存在します。その行為自体が母性だと考えられています。 だとすると、赤ちゃんがギューと握ってくれると嬉しくなるのはDNAの記憶なのかもしれません。 Holding-on: co-evolution between infant carrying and grasping behavior in strepsirrhines. 24 Nov, 2016. Scientific Reports, Louise Picker et. al., https://www.nature.com/articles/srep37729
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